SSエピソード20


「さあ、こいよ。ボッコボコにしてやんよ。」
「言われなくても・・・」
ライクは剣に手をかけて走り出した
ライクは飛び上がり上段から叩き切った、だが、その剣は男の剣に止められていた
「やれやれ・・・名前ぐらい名乗らせろよ、それが礼儀ってもんだぜ」
「関係ない」
再びライクは切りかかった、が、それも容易に止められて行く
「俺はアキってんだ・・・お前は?」
「答える必要はない」
「そうか・・・」
アキは笑いながら腰にあるもう片方の剣に手をかけた
「さて、始めようか・・・」
そういうと、矢のような速さで走り出した
ライクは一刀流、対するアキは二刀流だったから、ライクは一本の剣で二本の剣を止めなければならなかった、そうすると必然的にライクの負担は増える。負担を減らすには一本の剣を使えないようにすればいい、ライクは居合の構えをとった
「居合桜桃!」
「くっ・・・」
アキは桜桃を受けた時に剣で受けたが、そのときにその剣を弾かれていたのだった
「なかなかやるじゃ」
「すきあり!!」
ライクはここぞとばかりに二連を何度も何度もはなっていた、だがすべてアキに止められていた
「ん〜まだ荒いね、それじゃ俺のには勝てないよ?」
アキは二連を避けると一気に間合いを詰めた
「ほら、すきだらけ」
アキの剣はライクの左腕めがけて振り下ろされた、そのときにライクは体をひねり不完全だが避けていた
(左腕をやられた・・・)
「へえ、あれをよけるんだ、少し遅れてるけどね。」
(このままだと俺もグリーグも殺される・・・本気でいかなければ・・・間違いなくこいつはかなり強い)
「お前に俺のとっておきを見してやるぜ・・・」
そういうとライクは意識を集中させた
「消命・・・」
ライクは静かに目をあけた・・・
「雰囲気が変わったのはすぐわかったぜ・・・」
「これが俺の本気だ」
アキがへぇと言う前にライクはすでに動いていた
「おっと」
アキはライクが放った矢のような突きを避けていた
(確かに動きは確かによくなった、動きの速さから何もかもアップしている。)
「居合椿《いあい、つばき》」
ライクはバックステップでアキから離れ居合の構えをとった
(迂闊に近づくのは危ないな・・・)
アキは背中にかけていた四本の内一本の剣をぬきライクに向かって走り出した
まずアキは両手の剣を投げつけ、すばやく背中の剣を二本抜いた。アキが投げた剣はライクにあたる直前に無駄のない動きで避けていた
「無駄・・・」
「それはどうかな?俺はなんたって不可能を可能にする男だぜ」
「ならばきさまが俺を倒すことは不可能だ」
「はっ、その挑戦うけてたつぜ‼」
アキは両手の剣を上段から振り下ろした・・・がそれはあたることなく振り下ろされた
「剣が切られているだとぉ‼」
アキの剣は両方とも断ち切られていた。
そのとき剣の破片がグリーグに向かって飛んで行っていた。
グリーグは目をとじ、必死に祈っているためまったく気づいていない
グリーグーーーー‼」

SSエピソード19


ライクがまだ幼い時には両親の消息は絶たれていた。そのためライクは道場に通いつめ、常に竹刀を持ち歩き、一日中剣をふっていた。


ある日、ライクが道場から家に帰る途中、丸い眼鏡を掛けた子供と肩をぶつけた。ライクは気にせずに歩き出した。恐らくこれがライクとグリーグの出会いだろう

そして明くる日、ライクがまた道場から帰っているとグリーグが道に倒れていた
「……」
ライクはそこを一瞬通り過ぎようとしたが、やはり気になりグリーグを担いで家に帰った



ライクは家につくとグリーグをベットに寝かし、体の手当をし始めた。
翌日の朝グリーグは目を覚ました
「調子は………」
「うん、大丈夫だよ。助けてくれてありがとう。君なんていうの?」
「ライク…」
「へえ〜。あっ!僕はグリーグっていうんだ。よろしくね」
「………早く帰った方がいい……」
「ええっ!大丈夫だよ。どうせ帰っても……」
「いいから帰れ……」
「ちょっ……」
ライクはグリーグをしめだすと日課の瞑想を始めた


そして翌日………再びグリーグはライクの元を訪れた。
「なぜ来た………」
「いや〜昨日ちゃんと御礼してなかったからね。」
「礼なんかいらん」
「まあまあそういわずに!」
それから毎日のようにライクの元をグリーグは訪れてきた

そして再びある日
ライクはそわそわしていた。いつもグリーグがくる時間になっても来ないのである
「くそっ……」
ライクは家を飛び出した。


グリーグは簡単に見つけることが出来た。前の場所にまた倒れていたのだった。


「すまないね………」
「しゃべるな……」
グリーグはかなりの怪我をおっていた
「いよいよ話さなくてはいけなくなったね……」
「何をだ」
「僕は親が今いないんだ。恐らく親は城に連れていかれた。そう思って城に聞きに行くけど、いつも城に入ろうとしたら連れて行かれるんだ…」
「ふむ……」
こいつ親いないんだ……ただそうとしか思えなかった
「さて…今日はありがとう!家に帰るよ」
「まて……今日は泊まっていけ…話したいことがある。」
「………わかったよ」

ライクはその夜、いろいろなことを話した
両親のこと…自分も城に連れて行かれたと思っていること
グリーグはただ黙って話を聞いていた

翌日、ライクは目を覚ますとグリーグは既にいなくなっていた
「もしかして……」
城にいったのか…
そう思う前に既に真剣を持って走り出していた
グリーグ………!)


その頃グリーグは城へ行く途中だった
グリーグの目の前には3人の大人達がいた。大人達は斧や真剣、鎌を持っていた。
(駄目だ殺される………)
グリーグが死を覚悟した瞬間、誰もが聞いたことがない大きさで叫びながらライクが走ってきた
グリーグは殺らせん!」
来ると同時に斧、鎌の柄を切った
「くそっ!」
そういうと斧と鎌の大人は武器を捨て殴り掛かってきた
ライクは剣を納めると大人達の拳をかわしていく
「石灰《せっか》」
ライクは飛び上がり一人の頭を掴み体を捻った
それと同時に大人(鎌)の首が変な方向に曲がった
「がっ……」
一人地面に力なく倒れた
「くそおぉぉお!」
大人(斧)はボクサーのような構えで走ってきた。そして流れるようなフットワークでライクに拳を放っていく。だが、ライクはそれを全て受けていく
「こんなものか……」
「あぁっ!ガキが調子にのりやがって
そういった刹那ライクにあしばらいをかけられ体勢を崩した
「おおっ…」
「ほら…油断するから。」
そこまでいうとライクは腰を深く落とした
「くっ!」
大人(斧)はとっさに受け身の体勢をとった
「無駄…正・崩竜拳《せい・ほうりゅうけん》」
ライクの拳は大人(斧)の腕に当たった、すると大人(斧)は吹き飛び、木で背をうつと意識がとんだ
「さあ・・・あとはお前だけだ。」
「フハハハハハ、その雑魚どもを倒したか。多少できるようだな。手合わせ願おう・・・いざ!」

SSエピソード18


「さて先へ進むか…」
ソルド襲撃からもう二日経っていた、休養のためだ。そして今森を抜けるためあるいている……すると近くで何かが吠えた
「またあいつらか…」
俺達は……ライクとグリーグは武器を構えた。ライクは剣を、グリーグは弓を……
ライクは思い出していた



それは出発する日の前のよるのことだった
「ええっ別行動!」
ライクは驚いた
「なんで別に行動するんですか?」
グリーグが意味深に聞いている
「単純な理由さ…それは情報収拾のためさ。紅玉はどうすれば手に入るかとか奴らの支部がどこにあるかとかね…」
「それなら三人で行動したほうが…」
「いや三人だと隠密性にかける、だから俺がいく…」



(バルタさん…)
バルタはライクに一通の手紙を渡していた、次の街に着いたら読めと言って
(一体なんなんだろう…)
「来ましたよ!!」
そういうとグリーグは矢を放った
矢は次々と悪魔のなりそこないどもを貫いていく。だがどうやら下級悪魔がいたようだ。
下級悪魔にグリーグは間合いを詰められる
その瞬間グリーグの足元に幾何学な紋様が浮かび上がった
それを気にする様子もなく下級悪魔は殴り掛かった
「貫け!光の槍よ!ライトニングランス!!」
どうやら呪文を唱え終わったらしい
グリーグの前に光が集まって槍の形に変化していく、それが悪魔の体を貫く

やべぇ、強すぎる
悪魔は体に穴が空いている。それでも悪魔たちは負けじと攻撃を仕掛けてくる
再びグリーグの足元に紋様が浮かび上がる
「集え光よ!そして光の矢へと変われ!ホーリーアロー!」
するとグリーグの手に光の矢ができ、それを悪魔に放つ。矢に当たり、悪魔たちは次々と倒れていく
もう勝手にやっててくれ(笑)



グリーグは天才だった
全てのことを完璧にこなしていく。召喚術もそうだ。やつは二日で約2、30の術を覚えやがった。しかもそれを簡単につかいやがる。いつからだろうか…あいつがあんなに努力家になったのは
そんなことを考えていると戦闘が終わったようだ
「さあ行きますよ」
「ああ……」
俺は昔のことを思い出していた。

あれは俺がグリーグと初めてあったときだった………

SSエピソード17


「がはっ…」
ライクは地面に倒れた
「もう終わりか?他愛もない、貴様等など殺す価値もない…」
「くっそ………」
「今回は見逃してやる、感謝するんだな」
「くそ!くそ!くそ!」
ライクの目から涙が溢れていた
「そんなに悔しいのならもっと強くなればいい…そして俺の前に再び現れろ!」
「…」
「もっと強くなれ!ライク!」
「…」
「さらばだ…」
ソルドは闇の中に消えて行った
「ライク!大丈夫ですか?」
「なんとかな…」
「動かないで下さいよ…召喚術《ヒール》!」
「ん…なんだこれは、傷が治っていく…」
「これで一応大丈夫かな…」
「これはいったい…」
「召喚術だよ」
「バルタさん!」
バルタは足を引きずりながら歩いてきた
「召喚術?グリーグってそんなん使えたっけ」
「いいえ、先程覚えました」
「いつのまに…」
「貴方達が戦っている間です」
「彼は天才だよ」
「そうだ!バルタさん、怪我は…」
「全部グリーグが治してくれたよ」
「よかった…大丈夫なんですね」
一応はねとグリーグ
「それにしても奴は…ソルドは強かった」
「あれが上級悪魔というやつさ…」
「くそ…」
「さて…もっと強くならなければな…」
森の中にライクの泣き声だけが響いた

SSエピソード16


「勝ったと思ったか?」
ソルドは静かに顔を上げた
(怖い……怖い……)
ライクの体は震え出した。もうライクの体は限界だった。居合神風弐式は自分にもかなりダメージがくるもろはの剣だった。そのダメージは大きく、ライクは精神的にも追い詰められていた。
「ふん…弱った貴様などいつでも殺せるわ…先にあちらの方をやるか…」

その頃グリーグ
「ん……」
「バルタさん!」
「ソルド!」
起き上がった瞬間バルタは叫んだ。いつのまにかソルドはグリーグの後ろに立っていた
「死ね」
ソルドが振りかぶった瞬間ソルドの腹を剣が貫いた
「がっ……貴様倒れたんじゃ…」
グリーグを殺させてたまるか…よ…」
「友のため戦う…見事だな。たがそれだけの力がなければな…」
ソルドはライクの方に向き直った
「まあ、その覚悟に免じて先に貴様を殺してやろう」
「こい…」
ライクの体の震えは止まっていた
「まずは腕をどうにかしないとな」
そういうとソルドの腕があったところに腕がはえてきた
「なっ…」
「さあ…始めようか」


ソルドの強さは尋常じゃない。だがライクもソルド並の強さを持っていると思った…だがソルドは本気ではなかった。

SSエピソード15


あたりはかなり深い森だったからもともと暗かった…だがソルドが何かを始めた瞬間あたりがさらに暗くなりひんやりしてきた
(こいつはやばいな…)
ライクの勘がそう告げていた
そのときソルドは顔をあげた
「またせたな……これがせっしゃの本気だ」
ソルドの体からどす黒いオーラのようなものがでていた
「こい…この状態になった以上貴様に勝ち目はない。先手は譲ってやろう…」
「後悔すんじゃねーぞ…」
そういうとライクは走り出した。剣を直したまま…
「貴様、素手でせっしゃにかてるとでも…」
「ああ、思ってるさ」
ライクは殴りかかった。たがそれをソルドは軽々とよけていく。そしてライクのパンチを避けたときにライクは少し体制を崩した。
「隙ありぃぃぃぃぃ!!」
ソルドは上段から剣をライクの頭に振り落とした。だが、ソルドの剣はライクにあたったと思った…だがそれは直前で止まっていた
ライクが両手で剣を止めていたのだった。真剣白羽取りだ…
「なっ…」
(この技が決まらなければ負ける…)
「喰らえっ!崩竜拳《ほうりゅうけん》!」
ライクの鋭いパンチがソルドの顎にヒットした
(意識が…飛びそうだ…)
「まだまだいくぜ…」
そういうとライクは剣に手をかけた。
「弐連《にれん》!」
ライクは素早い動きでソルドを切り付けた
「まだまだ止まらないぜ!秋沙雨!」
ソルドの体は無数の突きで切り刻まれていく
「とどめだ!居合桜桃《おうとう》!」
ライクはソルドの腕を切り上げた
「ぐあああぁぁぁぁ!」
「散れ…桜のように…」
勝負は決着したようにみえた…

SSエピソード12


「くっ!」
「お前とは違うところであってたらいい友になっていたかもな…残念だ…」
「クソッ!」
ソルドは全身から剣をだした。
「これでも、私をきることができるというのか?」
「ああ、出来るさ。この型ならな…居合神風!」
バルタの姿が消えた…そう思った瞬間物凄い風と共にソルドの横を通りすぎた。
ソルドがなにか喋ろうとした瞬間…ソルドの全身からでている剣が全て切れ、ソルドの体も切り刻まれた
「なっなんなんだこの技は…」
「この技は当主から当主へとしか口伝されない技…居合神風…そうだろう、ライク君」
「!なんで俺が当主ってわかったんですか、言ってないはずですよ!」
「簡単さ…君があの剣を持った時にわかったよ。君は無意識の内に心月流の始まりの型魔神剣を放つのにやりやすいようにもったのさ。それだけ癖になるだけ剣をふっているなら答えはひとつだ」
バルタがそういった瞬間バルタの胸を剣が貫いた…