SSエピソード19


ライクがまだ幼い時には両親の消息は絶たれていた。そのためライクは道場に通いつめ、常に竹刀を持ち歩き、一日中剣をふっていた。


ある日、ライクが道場から家に帰る途中、丸い眼鏡を掛けた子供と肩をぶつけた。ライクは気にせずに歩き出した。恐らくこれがライクとグリーグの出会いだろう

そして明くる日、ライクがまた道場から帰っているとグリーグが道に倒れていた
「……」
ライクはそこを一瞬通り過ぎようとしたが、やはり気になりグリーグを担いで家に帰った



ライクは家につくとグリーグをベットに寝かし、体の手当をし始めた。
翌日の朝グリーグは目を覚ました
「調子は………」
「うん、大丈夫だよ。助けてくれてありがとう。君なんていうの?」
「ライク…」
「へえ〜。あっ!僕はグリーグっていうんだ。よろしくね」
「………早く帰った方がいい……」
「ええっ!大丈夫だよ。どうせ帰っても……」
「いいから帰れ……」
「ちょっ……」
ライクはグリーグをしめだすと日課の瞑想を始めた


そして翌日………再びグリーグはライクの元を訪れた。
「なぜ来た………」
「いや〜昨日ちゃんと御礼してなかったからね。」
「礼なんかいらん」
「まあまあそういわずに!」
それから毎日のようにライクの元をグリーグは訪れてきた

そして再びある日
ライクはそわそわしていた。いつもグリーグがくる時間になっても来ないのである
「くそっ……」
ライクは家を飛び出した。


グリーグは簡単に見つけることが出来た。前の場所にまた倒れていたのだった。


「すまないね………」
「しゃべるな……」
グリーグはかなりの怪我をおっていた
「いよいよ話さなくてはいけなくなったね……」
「何をだ」
「僕は親が今いないんだ。恐らく親は城に連れていかれた。そう思って城に聞きに行くけど、いつも城に入ろうとしたら連れて行かれるんだ…」
「ふむ……」
こいつ親いないんだ……ただそうとしか思えなかった
「さて…今日はありがとう!家に帰るよ」
「まて……今日は泊まっていけ…話したいことがある。」
「………わかったよ」

ライクはその夜、いろいろなことを話した
両親のこと…自分も城に連れて行かれたと思っていること
グリーグはただ黙って話を聞いていた

翌日、ライクは目を覚ますとグリーグは既にいなくなっていた
「もしかして……」
城にいったのか…
そう思う前に既に真剣を持って走り出していた
グリーグ………!)


その頃グリーグは城へ行く途中だった
グリーグの目の前には3人の大人達がいた。大人達は斧や真剣、鎌を持っていた。
(駄目だ殺される………)
グリーグが死を覚悟した瞬間、誰もが聞いたことがない大きさで叫びながらライクが走ってきた
グリーグは殺らせん!」
来ると同時に斧、鎌の柄を切った
「くそっ!」
そういうと斧と鎌の大人は武器を捨て殴り掛かってきた
ライクは剣を納めると大人達の拳をかわしていく
「石灰《せっか》」
ライクは飛び上がり一人の頭を掴み体を捻った
それと同時に大人(鎌)の首が変な方向に曲がった
「がっ……」
一人地面に力なく倒れた
「くそおぉぉお!」
大人(斧)はボクサーのような構えで走ってきた。そして流れるようなフットワークでライクに拳を放っていく。だが、ライクはそれを全て受けていく
「こんなものか……」
「あぁっ!ガキが調子にのりやがって
そういった刹那ライクにあしばらいをかけられ体勢を崩した
「おおっ…」
「ほら…油断するから。」
そこまでいうとライクは腰を深く落とした
「くっ!」
大人(斧)はとっさに受け身の体勢をとった
「無駄…正・崩竜拳《せい・ほうりゅうけん》」
ライクの拳は大人(斧)の腕に当たった、すると大人(斧)は吹き飛び、木で背をうつと意識がとんだ
「さあ・・・あとはお前だけだ。」
「フハハハハハ、その雑魚どもを倒したか。多少できるようだな。手合わせ願おう・・・いざ!」